海外進出時のM&AにおけるVDRの活用

近年の経済情勢

2020年以降、COVID-19の蔓延により世界経済全体が停滞し経済成長率も鈍化しています。

地政学的にみても、ロシアのウクライナ侵攻、中国内の不動産デフォルトの懸念や上海ロックダウンによる経済の減速、さらに、コロナからの回復基調に乗じた世界的な物価上昇など、マクロ経済は先の見通せない状況です。

日本では、ウィズコロナ政策の下、ワクチン接種が行き届いたことなどにより人出が回復し、個人消費が持ち直しつつありますが、未だ低水準に置かれています。

日本におけるM&A

国内市場が伸び悩み世界情勢も不透明さを増す中、2021年のM&Aは過去最高の4280件となりました。(出典:レコフ:https://www.marr.jp/menu/ma_statistics/ma_markettrend/entry/33809)日本企業同士のM&Aが活発だったことが大きな要因ですが、日本市場でコアビジネスが伸び悩む企業は、持続可能な成長戦略を見据えた海外企業とアウトバウンドのディールメイキングが活発です。

昨年の海外M&A最大の案件は、96億ドルで日立に加わった米国Global Logic買収です。デジタルエンジニアリングに強みを持つIT企業を買収することで国内企業のDX支援を加速し、従来の基幹系中心の受託型からIoTやクラウドを活用したクライアント協業型の開発サービスに事業ポートフォリオをシフトし、高成長市場に領域を拡大したM&Aの一例です。

一方、今年に入り、M&Aには陰りが見られます。

2022年1月~6月期において日本企業による海外向けM&A最大の案件は、ソニーによる米国ゲーム会社バンジースタジオの買収で46億ドル。3月以降の急激な円安とウクライナ危機収束の見通しが立たない中、案件ベース、金額ベースでも縮小しています。

M&Aで求められるスピーディーで正確な企業査定

世界情勢が目まぐるしく変化する中、海外進出のためのデューデリジェンスではスピードが求められます。

日本企業にとって昨今の急激な円安は、当初の目論見より円ベースで買収想定金額を大きく上回るケースもあることから、企業価値を迅速、かつ適正に判断することがM&A成功のカギと言えます。

さらに、アウトバウンドのM&Aでは、厳格なアクセス管理や通信時の情報漏洩対策が欠かせません。

海外企業のM&Aに必要となる情報漏洩対策

海外デューデリジェンスで、強固なセキュリティ環境を備えた仮想データルームを準備することは最低必要条件。

DFINは、テクノロジーとマンパワーによるサポートを提供し、安全かつ迅速なM&Aを強力にバックアップします。

テクノロジーによるDFINセキュリティ対策

グローバルベースのM&Aを想定したDFIN 情報セキュリティプログラムは「セキュリティー・バイ・デザイン」ルールを適用しマルチレベルのセキュリティ基準を運用。

DFINのVDRが海外買収先企業と安全なディールメイキングをすすめるために装備した機能の一部をご紹介します。

  • 通信時にTLS1.2 と AES-256 など強力な暗号化アルゴリズムを使用、保管中および転送中のデータを暗号化することで、アクセス中のデータ漏洩を防止。
  • シングルサインオン(SSO)で可用性を向上させるだけではなく、生体認証やワンタイムパスワードといった多要素認証(MFA)を先駆けて導入、より正確な本人認証を確立。
  • ロールベースアクセス制御(RBAC)でドキュメントへの最小アクセス権限を実現。
  • アプリケーション・プログラミング・インターフェイス (API)によるアクセスログ管理を構築。ドキュメントには、透かしによってアクセス者情報が記録され、セキュリティデータとして管理。

DFINは、情報セキュリティの三大要素である「可用性」「機密性」「完全性」を確立したVDRをユーザーに提供し、グローバルのM&Aでも安全なディール環境を提供します。

人的サポート体制によるDFINのセキュリティ対策

DFINでは、テクノロジーだけではなく万全なセキュリティ対策を実施するための人的なサポート体制も実現しています。

サイバーセキュリティ監視部隊常駐のセキュリティオペレーションセンター (SOC)を設置しサイバー攻撃に備えるだけではなく、グローバルに展開するDFIN30拠点のスタッフ全員のセキュリティ意識向上を図りセキュリティートレーニングを実施。人的リソースによるデータ保全体制を確保し、日本企業による海外M&Aディールを支援します。

安全性とプロセスの効率化を実証したM&Aケーススタディー

DFINが提供するVDRのケーススタディーとして、アドビシステムズによるWorkfrontの買収があります。

Workfrontは、長年のビジネスパートナーであったアドビから買収の申し入れがあった際、デューデリジェンスを迅速に進めるため、共同作業を行う安全なプラットフォームを提供する必要がありました。

このM&A は、Workfrontにとってさらなる成長を見込めるだけではなく、アドビにとっても顧客の作業管理ソリューションに生産性の向上をもたらす重要なM&A案件。

VDR「Venue」の即時セットアップに始まり、操作性に優れたユーザーインターフェイス、およびDFINの 24 時間体制のサポートなどによりデューデリジェンスのプロセスは効率化され、Workfrontがアドビとの契約を迅速に完了させることができた事例です。

まとめ

M&Aにおけるセンシティブな情報の取り扱いには細心の注意が必要です。デューデリジェンスの期間中は、ハッカーやスパイウェアによる盗難から確実に情報を保護しなければなりません。

DFINの「Venue」はキャピタルマーケットを熟知し、資金調達やM&Aなどの詳細を知り尽くした業界のリーダーによって開発された優れたVDR。機動力を高め安全性を備えた仮想データルームは日本国内のみならずグローバルベースのあらゆるM&A案件に対応します。